介護福祉士試験には事例問題が多く出題されます。
【介護福祉士5】の記事でもお伝えしたように、(対人関係の)事例問題については、勉強する必要はありません。
むしろ、勉強したくてもすることができないというべきだと思います。
それでもテキストや問題集で学んだことから出題されることもあるので、安心してください。
それでは、また例題を挙げます。
最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 夫におむつ交換の方法を指導する。
2 夫の頑張りを認めながら, Gさんの状況を聴く。
3 リハビリテーションの導入を検討するように,伝える。
4 夫の介護では限界があることを自覚するように,促す。
5 このままでは寝たきりになるので, Gさんを起こすように話す。
問題文はあえて載せません。むしろこの問題は問題文を見なくても解けるのです。
対人援助については、国が望ましいとされる介護福祉士像をイメージします。
その人がとる対応が正解肢です。
国が望ましいと考えている介護福祉士像・社会福祉士像は「バイステックの原則通りふるまえるか」です。
バイステックの7原則は、
個別化、受容、意図的な感情表現、統制された情緒関与、非審判的態度、自己決定、秘密保持
なんてむずかしく表現されていますが、要するに事例問題においては「いい人」だということです。
例えばこんな人です。
Aさん 38歳 中堅介護職員
この人は、人の話を聞き上手で口は堅く、批判もしない。よくいる「いい人です」。
職場等で思い浮かべると良いでしょう。
この人をイメージすれば正解肢はおのずと見えてきます。
逆にこんな人は駄目です。
Bさん 20歳 新米介護職員
やる気マンマンで人情家。学生時代はバレーボール部に所属し、バリバリの体育会系です。
Cさん 47歳 ベテラン介護職員
この人はクールで仕事はテキパキこなし、施設全体の人的コストがかからないような仕事をし、施設長にも一目置かれています。
BさんもCさんもとても働ける人なのですが、国は理想の介護福祉士像にはしていません。
それでは、Aさんがやりそうな行動はどれでしょう。
1 夫におむつ交換の方法を指導する。
2 夫の頑張りを認めながら, Gさんの状況を聴く。
3 リハビリテーションの導入を検討するように,伝える。
4 夫の介護では限界があることを自覚するように,促す。
5 このままでは寝たきりになるので, Gさんを起こすように話す。
「2」っぽいですね。
その他の言動は、BさんやCさんがやりそうですね。
ちなみに問題文はこんな感じでした。
Gさん(83歳,要介護2)は,夫(85歳)と二人暮らしである。大腿骨頸部骨折 (femoralneck fracture)で入院していたが,退院時,排池はトイレで自立していた。 退院後,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり,訪問介護員 (ホームヘルパー)が初めて訪問すると, Gさんはおむつをして,ベッドで横になっ ていた。 訪問介護員(ホームヘルパー)が夫との関係づくりのために,最初に行う対応とし て,最も適切なものを 1つ選びなさい。
問題文を見なくてもわかりますね。
適当な感じのことを言ってやがるな、と思っている方もいるかもしれませんが、実はこのような問題にも「バイステックの7原則」が使われています。
実はこの正解肢2「夫の頑張りを認めながら, Gさんの状況を聴く。」には、
「まずは、相手のしてきたことを認めて、批判せず、よくある問題だろうと決めつけずに状況を知ろうとする。」
即ち、
「受容」、「非審判的態度」、「個別化」
等の対人技術が使われているのです。
そして試験委員は、対人技術の事例問題について、こういったことをわかってもらいたいのです。
続いても例題を挙げます。
1「ご家族の価値観で判断してはいけません」
2 「ご本人の考えを優先して,ご家族も考え方を変えましょう」
3 「ご本人が何に関心があるのか,気持ちを聞いてみませんか」
4 「ご本人について理解が足りないから,もっと理解しましょう」
5 「私たちは,ご本人の権利を守る必要があるので,ご本人の意向を優先します」
顔もつけてみましたが、正解肢は「3」です。
クールや熱血はこの試験には適していませんね。
ちなみに問題文は、
家族が利用者本人の意向や状況を理解していないとき,両者の意向を調整するための,家族に対する介護職の言葉かけとして,最も適切なものを1つ選びな さい。
でした。
※全部が全部このように解けるわけではありませんが、介護福祉士試験にしろ社会福祉士試験にしろ対人技術は重要なので、この考え方を参考にしていただければ得点アップにつながると思います。
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