社会福祉士及び介護福祉士試験ではおなじみの「バイステックによるケースワークの7原則」ですが、はっきり言って
「よくわかんない」ですよね?
一つ一つを丸暗記するといった方法で全く問題ないのですが、暗記力を深めるための事例を紹介するのでご覧ください。
先日、私は家族が帰省していたため、お楽しみの「一人居酒屋」をしました。
いつも行く近所の焼鳥屋さんなのですが、地元の常連客がメイン層となっています。
その日も年配のお一人さんがマスターと雑談をしていました。
自分はカウンターで見知らぬ酔っ払い客と話すのは嫌いではないのですが、その日はスマホ作業に勤しんでいたのでなるべく話しかけられないようにしていました。
しかし、やはり年配のお一人さんはマスターが離れた際に私に話しかけて来たのです。
あえて二つも席を離して座ったのに…
話しかけられたくなかった理由がもう一つありまして、マスターとお一人さんの会話が「悲壮感漂ってた」からです。
こっちは久々の一人居酒屋を楽しんでいるので暗い話は御免でした。
しかし、地元での基盤を固めたい(理由は特にありませんが)私はむげにできるわけがありません。
年配「たくさん食べてますね~」
ホッピーにししゃも、ゲソ揚げに冷や奴&焼き鳥盛り合わせに囲まれて幸せな気分に浸っていた私に話しかけてきました。笑顔で応えます。
年配「最近はつらくてね~」
ブルー「へー、どうしたんですか?」
こちらからの適度な質問で相手からのさらなる会話を促します。
年配「いやね、妻が今年の2月に亡くなって。それからは毎日つらいんだよ。」
「さっきマスターと話してたのを聞いてたので知ってますよ。」
とは言いません。統制された情緒関与を使います。
私「えぇー!それは大変でしたね。ご病気で?」
それもさっき聞いてたのですが、改めて本人から表出してもらうことが大切です。
年配「癌でね、余命が短いっていきなり医者から言われてたまんなかったよ。」
私「お年は若かったんですか?」
傾聴と適度な質問を繰り返して相手からの話と感情の表出を引き出します。「意図的な感情表出」の部分ですね。
バイステックのケースワークの7原則では特に重要な部分です。
年配「俺は57だけど12個も上でね。69だったんだよ。年が離れすぎてておかしいでしょ?」
ブルー「そんなことないですよ。今じゃ全然珍しくないですし、それほど魅力的な奥さんだったんですね。」
ここは「受容」と「個別化」です。
そしてここで私は「寂しい」という感情をさらに引き出すための質問をします。
「お子さんは?」
今までの話から、返ってくる回答の想定は「遠くにいる」または「いない」でしょう。どちらにしても寂しさの感情を吐き出させることができます。
年配「いないんですよ。」
この年配によくありがちな「いきなり敬語になる」が出ましたが、ここは心を鬼にしてスルーです。
ブルー「えぇ!それは確かに寂しいはずですよね。」
「共感」を入れるチャンスにはしっかりと入れていかなければなりません。
年配「今はバイクで道の駅を巡るのが楽しみでね。」
出ました!本人からの肯定的な動きです。これを待っていたんです。
この話をポジティブな方向に発展させるため、適度に自分の情報も交えて話に花を咲かせます。あくまで自分の話は「適度に」入れていきます。
自分もバイクに乗るのでより信憑性のある「共感」をバシバシ入れることができます。
自分と相手との共通項を見つけるためにプライベートな話を出すことも有効と言えるでしょう。
年配「まあ残りの人生はそうやって死んでいければ幸せかなー。」
この言葉が出たなら安心でしょう。私はさっさと会計を済ませて店を出ました。
以上からわかるように、本人が「寂しい」という感情から方向性をポジティブに変えるまで、私は特に何もしていません。本人が自分で感情を変化させていっただけです。
こちらは「傾聴」と「意図的な感情表出」「統制された情緒関与」「受容」「共感」等を組み合わせて相手方の否定的な感情を全て吐き出させ、肯定的な感情が出たときにそれを発展させていただけです。
天国のバイステックやケースワークのプロが見ていれば間違っていると言われるかも知れませんが、日常の会話から出てきたケースワークの原則についてなるべく分かりやすく説明してみました。これが暗記の手助けになれば幸いです。
ここで記事にしていることによって「秘密保持」には若干問題がありますが目をつぶりましょう・・・
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