今回は職場のメンタルヘルスに関係する話題を拾ってみました。
「モラルハラスメント」
この言葉を聞いて、はっきりとわかる人はかなり少ないかもしれません。
あーあ、高○ジョージと三○美香さんの問題か。
と思うくらいでしょうか。
前に自分は労働組合の委員長をやっているという話をしましたが、
職場トラブルの多くに、この「モラルハラスメント問題」が含まれていると感じることが多かったので、
今回特集させていただきました。
まだ広く理解されている言葉ではありませんが、場合によってはパワハラよりもたちが悪いので注意してください。
モラルハラスメントとは、
「対人関係の問題で、人が人へ、人権を侵害するような精神的な追い込みをかけてしまう関係性」を言います。
例えば、「夫が妻へガミガミ言うような関係」、「上司が部下へガミガミ言うような関係」です。
それにプラスして、ガミガミの内容がよーく聞いてみると、
人権侵害にかかわるような精神面への攻撃と評価できるようなものが含まれているケースだったりするのです。
(自分独自の言葉で表現したのでズレがあったらごめんなさい。)
今回は、「モラルハラスメントを知る」ことで、職場においての対処方法を考えていただき、
仕事上のリスクをできるだけ減らしていただければと思います。
(仕事以外でも顕在しているので、モラルハラスメントを知ることは大変有効だと思いますよ。)
てっとり早くウィキペディアを参考にさせていただきます。
参考:モラルハラスメント‐ウィキペディアより
モラルハラスメントについての説明で必ずでてくる人物は、
フランスの精神科医、マリー先生です。
マリー先生は難しいことを言っていますが、モラルハラスメントの特徴について、
マリー先生の言いたいことを、自分の経験を踏まえてわかりやすく伝えさせてもらいます。
まず、モラルハラスメントをする人の特徴は、
①ある程度真面目である。
②ある程度正義感がある。
③ある程度使命感をもっている(もった職位である)。
④良かれと思ってやっている(と言う)。
といった感じでしょうか。
とにかく、このモラルハラスメント問題の一番の危険が、「加害者が正当化されてしまう」ということなのですが、
今まで「モラルハラスメント」という言葉が日本の労働環境に出てこなかった所以とも言えるでしょう。
日本人には正に陥りやすい罠ですから。
フランスのマリー先生は、このモラルハラスメントの加害者の性質についてこう言っています。
「自己愛的な変質者」及び「症状のない精神病者」
です。
細かい特徴は、さきほどのリンク先を見ていただければ良いのですが、
このモラルハラスメントの加害者の特徴として大きいところは、変質性や病性があるということなのです。
パワーハラスメントと類似していますが、「動と静」といった感じでしょうか。
モラルハラスメントは陰湿さが特徴です。
まず、このモラルハラスメンターの典型的な挙動を追っていきましょう。
ターゲットは、容易に攻撃しやすい人、例えば若手や職位が自分より低い人です。
年齢に関係なく職位を重視するケースが多いと感じます。
そして性格的には、「いびられるのには自分が悪いのかも知れない」と思ってしまう人です。
このタイプは正に恰好の餌食となります。
モラルハラスメンターのごちそうキャラです。十分注意してください。
とにかくまずは、このターゲット絞りを入念に(または無意識的に)行います。
これは、自分の観察してきた中での特徴なのですが、
まず第一攻撃の際の反応を見ます。
自分に対しての反撃の方法や手段が適当である場合にはそれ以上の攻撃を躊躇します。
とにかく、自分に反撃してこない(または反撃に対して正当性がない)人をターゲットにするのです。
また、自分(加害者)にとっての脅威となる仲間がいないことも決め手となると思います。
仲間(加害者にとっては敵となりうる)がたくさんいる相手は狙ってこないのです。
ここがモラルハラスメントの最も特徴的な部分です。
とにかく、人格を否定したり尊厳を傷つけたりすることに執着します。
蹴ったり殴ったりということは、微塵も希望していないはずです。
とにかく、精神的に追い詰めることに快感があるのです。
言い換えれば、正当な理由(自分の中だけの)に基づいた「精神的虐待」を行うわけです。
そして、さらに特徴的な部分として、
モラルハラスメントを行うことの正当な(自分の中の)理由の一つに、
「良かれと思ってやった」があるのです。
この弁解は必ずしてきます。
「本人のためを思って」や「本人が良くなるように」
という大義名分の名のもとに精神的虐待を繰り返します。
本人の自覚が(自分はモラルハラスメントをしているという)ほとんどないことも問題でしょう。
最近は、モラルハラスメントという言葉がようやく日の目を?浴びることになってきていますが、
現在のパワハラ対策のように、会社が本当に対処し始めるのはもう少し先になるでしょう。
そこで、対策となるのですが、モラハラの摘発は相当難しいです。
なにせ、「加害者が被害者のためを思ってやった」という主張が認められやすいのですから。
なので、皆さんがもしモラハラの被害を受けてしまった時のために、いくつかアドバイスをさせてください。
モラハラについてのトラブルでは、1対1では圧倒的に不利となります。
(モラハラに限定されず、職場トラブルの多くに当てはまりますが)
加害者側と被害者側の言い分が食い違えば、会社としては喧嘩両成敗の結果を下すことが一番容易であり、都合が良い訳ですから。
具体的に「こんな発言があった」というのを複数の社員から証言してもらえるような状況になればしめたものです。
職場のモラルハラスメント問題で最も陥りやすいのは、
「加害者にも悪かった面があるけれども被害者に非があったからだ」
という結果で終了してしまうということです。
これは、問題のすり替えです。
モラルハラスメントの問題は、加害者が被害者に対して精神的な虐待をしてしまうということです。
被害者には何の落ち度もないはずです。
そして、(仕事でのミス等の)悪いことをしたから虐待を受けるという図式は成り立たないはずなのです。
しかし、まだまだこの考え方は会社に根強く残っています。
会社としては、ただの喧嘩、そして喧嘩両成敗で終わらせる方が都合が良いのですから。
問題をすり替えられないように「人権侵害の違法性」をテーマにすべきでしょう。
また、本意気(裁判等)で勝負する気なら、「録音」が有効でしょう。
最近はスパイ気分も味わえる小物が出回っています。
※取扱いには十分注意してください。
以上、現段階での情報しか掲載することはできませんでしたが、
モラルハラスメントは、パワハラ・セクハラ同様に今後の社会問題となっていくことは間違いありません。
皆さんも気を付けて職場の中を見てみると、モラルハラスメンターが容易に発見できるはずです。
コメントを残す