先日、友人からこんな相談を受けました。
【相談内容】
①祖父がなくなり、相続が開始した。どうしたらよいか。
②残された祖母は認知症を患っている。現在入院しているが、退院後はどうしたらよいか。
①については、行政書士のメイン業務となる相続関係の問題です。
②については、福祉サービスについての問題なので社会福祉士の領域でしょう。
このように、高齢者問題においては、法律問題と福祉問題は相互に絡み合うことが多いです。
そのため、今の時代は、一つの資格を持っているからといって簡単に食っていける時代ではないのでしょう。
例えば、行政書士が相続についての相談を受ける際に、上記の②の相談を同時に受けた場合、
「その問題については、他で聞いてください。」なんてことを言おうものなら、一気に信頼を失うでしょう。
そして、社会福祉士に相続についての知識が全くなければ、家族関係がこじれる原因をつきとめられないかもしれません。
当時(15年くらい前)の社会福祉士試験では、権利擁護についての出題などそれほど多くはありませんでした。
しかし今の試験では、重要(難題)科目の一つとして位置づけられています。
また、憲法、民法、行政法についての問題も毎年一問ずつ出題されるのが定番となっています。
そういったことからも、現在の社会福祉士には、福祉に関しての知識だけでなく、法律についての知識も求められていることがはっきりとわかります。
行政書士の先生方の中にも、いろいろな得意分野を持っている方がいます。
交通事故、相続、離婚、成年後見、契約、等
社会保険労務士の先生では、給与計算、労働紛争、保険・年金、等
その中に福祉分野も入っているでしょう。
特に相続や成年後見の問題には福祉が絡むことが多いと思います。
人の死→相続の開始→残された人の処遇といった流れです。
今は、プラスワンの知識がなければ、法律業で活躍することは難しくなってきているような気がします(弁護士は全ての知識が必要ですが)。
自分は、所持資格を専門にした仕事をしたことはありませんし、たまに受ける相談に軽く活かせるぐらいにしか活用していませんが、
行政書士の知識+社会福祉士の知識のセットや、
社会保険労務士の知識+行政書士の知識のセットには
よく遭遇しているな、という印象があります。
とにかく、一つの資格を取得したからといってそれに安心することなく、様々な知識を持つことが自分自身を高めることに繋がるのだということを知ってもらい、更なる高みを目指していただきたいと思います。
目指せっ!ダブルライセンス!
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